膝蓋腱反射

膝が反射で書き殴るところ

2023-24シーズン 個人的ベストプログラム

今期はロシアとカップル競技あんまり追えてないです・・・。ごめんなさい。

薄々気づいてはいたけど好きな演技発表会になりつつある。

 

・シニア部門

 

Kévin Aymoz FS "Bolero"

ベスト演技:Skate America

ちょっとマジで複雑な気持ちだから保留させてくれというかんじ。

優れた音楽解釈と身体能力とユニークで目を引く動きとパッションが融合したパフォーマンス。特にスタート~4T~直後の繋ぎまでの流れが圧巻すぎの気持ち良すぎでした。去年の課題だった後半密度低い問題も解決しようと試みていたのを感じました。ラストのコレオも説明不要なんですけど、個人的には両足ジャンプの着氷でしっかり姿勢が整っている(両手腰に当ててるあれ)のがすっげえなと思っていました。スケアメは興奮しすぎてちょっと崩れたけど。

StSqの振り付けがちょいちょい変わってるんですけど、どれも良いよネの気持ち。基本詰め込んでほしいんだけどストップ入りもかっこいいんだよな。

繋ぎだけを見るならUSICが多分ベストです(二年連続)

 

 

・Ilia Malinin FS "Succession (soundtrack)"

ベスト演技:GPF、WC

ワールドでSPのマラゲーニャが素晴らしすぎてすっっっごい迷いました・・・。いつかまた見たいです。StSqでハァッ!!て叫ぶの持ちネタにしてショーでやるたびに大喝采みたいな妄想してるんですけどいいよね。でもまあプログラムとして感心したのはフリーかなあと思ったのでこちらを選びました。

「継承」の名の通り、新チャンピオンの座を彼に齎したプログラム。序盤の重厚なメロディーからピアノの旋律、そしてアーメンコーラスへと移り変わる音楽、本人の容姿や雰囲気、超難度(のはずの)構成を圧倒的なエフォートレスさで決めていく様子が相まって、硬質でどこか非現実的な世界観が醸し出されます。冬の暗い空の下佇む古い邸宅みたいなイメージ。寒色も似合うね君。GPFとワールドのスーツも似合いすぎで良かったけど。

最後アップテンポになるのはお約束なんですけど、ラスト盛り上がってプログラムとしてのまとまりついてるからこれはこれで良いです。フィニッシュポーズもなんかこうタメが無いっていうか、フルスピードの動きの途中でいきなりビシッと止まる感じなのすごいいいよね。表現に対する強い意識を感じたしスケーティングめちゃめちゃうまくなってた。鍵山宇野みたいな濃厚スケーティングではないと思うけどクロスマジで少ないんですよ、ターンをいくつ繋げても全然スピード落ちない羽生結弦的な上手さを感じる。

似た動きの入ったプログラムをやってるダンスマスターたちと比べると動きの洗練度合いはまだ伸びしろがあると思いますし、特にStSqのスケーティングはもっと磨いていけるかな~とも思いますが、長い手足とアクロバティックな動きの迫力を活かす振り付けになっており、そもそもの繋ぎの量もちょっとびっくりするくらい頑張っていて良き良きでした。彼の努力とシェイリーンのプロデュース力の賜物だと思います(音楽持ってきたのもシェイリーンらしいです)。シェイリーン、これマジで4クワド上限想定で作ったんじゃないの????鬼密度がすぎるだろ。正直この1シーズンでスケーターとしての彼の魅力がストップ高でした。ワールドは後半興奮からかちょっとビシバシ感が足りなかったのでファイナルもベスト演技に入れました。

 

でもこれ原作は風刺コメディーらしいです。このOSTでコメディーは無理があるだろ・・・

 

宇野昌磨 FS「Timelapse, Spiegel im Spiegel」

ベスト演技:GPF

この世のものではない(誉め言葉)SPとマジで迷った。冒頭から引き込まれる振り付けに、いつ何をしようが揺るがないスケーティングの質感と姿勢の美しさ。まさにcaptivatingなプログラムで、この音楽を見事にものにしたと思います。

クワドが前期より少しギリギリになることがあり、そうなると世界観も少し阻害されるのがもったいなかったとは思います。難しいね・・・。そうはいってもイカれたスケーティングスキルと強膝ですぐさま流れを取り戻してくるため、影響が最小限で済んでいたとも思います。

 

・Alexander Selevko SP "Pharaoh Ramses II, The Mummy's Curse"

ベスト演技:WC

何やねんこれ()

ユーロですな~~という感じのエジプシャンなプログラムです。エネルギッシュでダイナミックではあるもののただ暴れまわるだけでなく、全部音にしっかり合ってるし体の使い方がいちいちうめえ~~という感じ。個人的にはStSq入るところのランジ~手・肩をうねうねさせながら前に繰り出してくるところが好き。伝わらなかったら動画を観てください、分かるので。やっぱこういうプロが上位勢にあると嬉しいよね。ジャンプの質も決まったものは素晴らしかったです。

 

・Adam Siao Him Fa FS "Departure (Home), The Quality of Mercy, Mercy (Voiceless Mix),Refuge"

ベスト演技:WC

音楽はThe Leftoversから。4クワドでそこそこ助走に時間取られてるはずなんですけど(そこそこで済んでるのすげえな)、要所要所でマイムをまとめて出してくることで引き付けられるっていうリショーのアレ。シンプルに助走の間にもターンや片足滑走をちょこちょこ挟んでいたり手の動きを多く入れていたりしている点、スケーティングそのものがすごくしっかりしている点も良くてとても見させるプログラムになっていました。StSq~サイレンとともに3Lz1Eu3S~FCCoSp~ChSq最初のスライドムーブに入るとこの流れと緩急マジ好き。ゆまちFSもそうだけどラストスピン2つで爆発感を減衰させないのも良い。もう感心するしかないつくりのプロ。

 

・Luc Economides FS "Smile (Charlie Chaplin), Nonsense Song (Charlie Chaplin: Modern Times)"

ベスト演技:Internationaux de France

まさかのフランスシニア勢コンプ。なんて上手いのでしょう(感嘆文)。これできたらもうチャップリン免許皆伝でいいよ。これのChSqに+1付けたやつをステッキでぶちのめす仕事に就きたいです。本人も上手いけど、編曲含めたプロの構成や流れも良いな~と思いました。まあ王道寄りではあると思うが。

ドデカジャンプも見ててヒヤヒヤするけど好き。しかも3A1本後半で全コンボだから余計にヒヤヒヤする。好き。

 

・Mikhail Shaidorov FS "Carmina Burana"

ベスト演技:CoC

厨二病歓喜。振り付けに雰囲気があってすごく良いですし、ジャンプのエフォートレスで余裕がある感じもとても合っていました。特にジャンプ前後の振り付けが凝っていて、マリニンもそうだけどやっぱジャンプ能力っていいプロ作るベースなんだなって感じました。間のパートでもクロスをするタイミングとかがさりげなく曲調に合わせられていたりして、オールラウンダーになりうる可能性を感じました。来季は4Lz 4F 4S 4Tx2で戦おうな。

 

・Yelim Kim SP "Ladies in Lavender"

ベスト演技:Finalndia Trophy

美しすぎ。衣装もいい。じっくり振り付けやエレメントを実行してくれていて、それが曲の強弱のリズムとマッチして美しかったです。緩急はつけつつも過剰にドラマチックに踊らない塩梅がステキ。中盤にカウンター2A~スピンに入るところ、StSq最後のほうのロッカーからインイーグルの氷をしっかり押しつつ素直に流れる感じとか、ラストスピンで上に上げた手とかが好き。

今シーズンはちょっとお別れしていた3Lz3Tが戻り始め、復調の兆しがうかがえて嬉しかったです。

 

・坂本花織 SP 「Baby, God Bless You」

ベスト演技:Skate America

シーズン後半でFSが結構捲ってきた。スケートって気持ちいいんだぜって感じさせてくれるスケーターとプログラム。優しい音色やメロディーを柔らかく滑らかなスケートで、ダイナミックな感動をディープエッジと爆速で味わうことができるプログラムだな~と思いました。

マジ完璧すぎて言うことねえや

 

・Isabeau Levito FS "The White Crow"

ベスト演技:Internationaux de France

イザボー・精密機械。雰囲気合いすぎフットワーク強すぎ。繊細すぎて不安になる感じが曲とぴったり。ターンの精度と密度もさることながら、3F後のニースラとかしれっと一瞬挟まれるイーグルとか、小技を細かくかつ滑らかに入れてくるのがヤバい。まさにtransitionという感じ。

でも演技終わったら死ぬほど元気にザ・アメリカンリアクションみたいな反応してくるのも良き。

 

 

・Niina Petrõkina FS "Dusty Road, Prelude (The Age of Heroes)"

ベスト演技:Skate America

かっこいい!あとやっぱりダンスが上手すぎですね。2022年のユーロで強烈な印象を残してくれたのですが、ここまでパワー系になって帰ってくるとは思いませんでした。難病と闘っていたことも初めて知り、尊敬の念を強くしました。ワールドには出場までこぎつけましたもののまだまだ骨折からの療養中かと思いますが、綺麗に直ってくれるといいな、と思います。

 

・Liliah Fear / Lewis Gibson FD "Gonna Fly Now (Theme from Rocky), Eye of the Tiger"

ベスト演技:NHK杯

おもろすぎて草枠。ふざけてるように見えてツイズルうまいしワンフットのエッジちゃんとバカ深いのおもろいなっていうことにN杯で気づきました。あとはスピード感とかリフトのエフォートレスさとかあるといい気がします。

 

・Piper Gilles / Paul Poirier FD "Wuthering Heights"

ベスト演技:WC

嵐が丘」。タイトルからムードあるよね。シネマティックな演出を貫いたという点では前年度のエビータを髣髴とさせるプログラムでした。音楽の不気味な感じやよく伸びる感じ(スケーティングかよ)を見事に捉えたプロだと思います。パイパーさんがジャッジにキャーってするとこあるんですけど、一瞬だけですぐ捕まえられちゃうのが執着され囚われの身であることを表している気がして良いです。

やっぱちゃんと見ないと浅い感想しか出ないですね。

 

・ジュニア部門

 

・櫛田育良 FS 「Preparation, Escape (from The Little Prince)」

ベスト演技:JGP Osaka??

全部いい。冒頭トゥンテュクテュントゥンテュクテュン...みたいなとこで目線振ってヘッってやってから急にニコッってするの天才すぎませんか?2A2本も難しいことやりすぎだろって感じだけどいいアクセント。結局2本目→ポージングの流れが決まったのって全ジュニ版しかないんですよね・・・。入り方もおかしいし時間に余裕なさ過ぎてヤバい。後半も空指さすとことか3Lz2T2Loのリズムとか3Loチェックとか軽やか3Fからスピード感あるのに嫋やかなChSqとかマジで全部すき。プレゼンテーションの鬼すぎる。

ベスト演技選べないんですけど、全体的にはJGP大阪、ジャンプは全ジュニ、スピード感と後半(特にChSq)はJGPアルメニアかなあ・・・。

 

Beck Strommer FS "Tree of Life"

ベスト演技:JGP Cup of Austria

セルフコレオでこれ!?!?!?ジャッジに目を据えながらまっすぐ後退していくニースライドが圧巻。素晴らしい才能。他にも冒頭の腕の動かし方やジャッジへの視線の送り方、スピンのニースラ出後にそのまま振り付けを入れてぎこちなさを感じなくさせる工夫など、細部に上手さを感じました。

 

・Francois Pitot FS "Cry Me a River"

ベスト演技:JGP Osaka

ジュニア・・・?スタイリッシュムーディー。こういう系の音楽への適正って生まれつきあるもんなのかなやっぱ。ドヤり適正みたいな。3Aとお友達になりフリップのエッジも矯正し、技術的に余裕ができたからか全体的な流れが良くなってさらにパフォーマンス能力を発揮できるようになってきた気がします。

でもキスクラのエムバペポーズかわいいね~^^^

 

 

 

・他好きプロ(脈絡なし)

鍵山優真 FS「Rain, in Your Black Eyes」, Adam Hagara SP "Another Love", Josefin Taljegard SP "Wicked Game", Lara Naki Gutmann SP "Kiss of Deathほか", 青木祐奈  SP 「Beautiful」, 吉田陽菜 SP「Koo Koo Fun」 & FS「Shakuhachi, La Terre Vue Du Ciel」, 上園恋奈SP「New Moon, F for You」&FS「Pray, Mechansims」、Amber Glenn FS "Exogenesis Symphony Part 3: Redemption", Minkyu Seo FS "Notre Dame de Paris", Deniss Vasiljevs FS "The Rightful King, He Lives in You (from "The Lion King")"

 

絞れね~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今季おもろいプロ多すぎるし滑るスケーターのレベルもどんどん上がってるので本当に絞れないです。

 

来季も応援!

好きな演技を脈絡なく挙げるところ

プログラム名は結構適当です。伝わればええやろの精神

 

羽生結弦

ロミオ&ジュリエット

パリの散歩道

バラード第一番

オペラ座の怪人

SEIMEI
Let's Go Crazy

Hope & Legacy

Otoñal

Origin

Let Me Entertain You

 

ケヴィン・エイモズ

In This Shirts

Question of U

Lighthouse

Still Don't Know My Name

Gladiator

Bolero

 

宇野昌磨

トゥーランドット

月光

Dancing On My Own

オーボエ協奏曲

ボレロ ~New Breath~

Gravity

Love You Kung Fu, Clair de Lune

Timelapse, Spiegel im Spiegel

 

ジュンファン・チャ

Masquerade Waltz
007

 

アダム・シャオ・イム・ファ

ダフトパンク

Woodkid

Rain, In Your Black Eyes

The Leftoversより

 

ドミトリー・アリエフ

Masquerade Waltz

 

ミハイル・シャイドロフ

Carumina Burana

 

ベック・ストロマ

Tree of Life Suite

 

アンナ・シェルバコワ

Elegy

Morning Passageほか

Dangerous Affairs

Master and Margarita

 

エフゲニア・メドベージェワ

W./E.

River Flows in You

Extremely Loud and Incredibly Close

Anna Karenina

Memories of Geisha

 

カミラ・ワリエワ

Storm

In Memoriam

Bolero

Interstellar

Truman Show

 

ソフィア・アカチエワ

Welcome to Earth(プロ名これでいいのかな)

 

エリザヴェータ・トゥクタミシェワ

ねじまき鳥クロニクル

Arabia, My Love

Loneliness

 

アレクサンドラ・トゥルソワ
Kill Bill
Fifth Element
Game of Thrones
Frida
Cruella

Summerも割と好き

 

アデリア・ペトロシアン
Paint It Black
Voila

 

アリョーナ・コストルナヤ

New Moon,Supermassive Black Hole (Twilight)

New York, New York

 

櫛田育良

Samson et Dalila
Red Violin
Little Prince

 

坂本花織

The Piano

Gladiator

Woman

Baby, God Bless You

 

河辺愛菜

Billie Eilish Medley

Drowning

Haunted/Lick It

 

松生理乃

Moonlight Sonata

Nella Fantasia

 

ダリア・ウサチョワ

Never Enough

 

島田麻央

Passpied

 

ニーナ・ペトロキナ

Love of My Life

Give Us a Little Love

Dusty Road/Prelude

 

トッド・エルドリッジ

Lord of the Rings

 

パパシゼ

Made to Love, U Move I Move

Find Me

 

YUZURU HANYU ICE STORY 2nd "RE_PRAY" 初見感想

膝です(挨拶)タイトル通り、羽生結弦初となる単独ツアー公演"RE_PRAY"に行ってきたので感想をちょっとだけ書きました。

 

参加したのはさいたま公演の初日(要するに初演)、席はショート側のSSでした。注釈付きのはずなのに死ぬほど神席でビビったよね。

記事の性質上、公演内容に関するネタバレを盛大に含みますので嫌な方は今のうちにブラウザバックをお願いします。

 

ネタバレは大丈夫ですか?それでは始めます。

 

・構成

【第一部】

いつか終わる夢

鶏と蛇と豚

Hope & Legacy

Megalovania

Asgore(6練)

破滅への使者(アレンジ)

 

【第二部】

いつか終わる夢:RE

天と地のレクイエム

あの夏へ

春よ、来い

 

エストポリス伝記メドレー(エンドロール)

 

【アンコール】

Let Me Entertain You

SEIMEI

序奏とロンド・カプリチオーソ(ピアノ版、フル)(メイキング映像)

序奏とロンド・カプリチオーソ(StSq)

 

 

 

・雑感

・髪下ろしロンカプ良すぎ

・「ここから抜け出す力を、手に入れることができそうだ・・・♠」

・流れる命を喰らう羽生結弦

 

前半はとにかくこういう羽生結弦が見たかった~~~~~という感じ。闇落ち魔王羽生結弦なんて喜ばない人いないからね。というか脳内で般若心経をループさせることになるとは思わんかったよ。良すぎて一気呵成にラストまで引っ張られたので感想無いです。オタクの悲しい性

 

後半は「あの夏へ」から「春よ、来い」が特にすごかった。その前のナレーションで主人公が真っ暗な水底に沈んでいるので、そこに光が差し込み水がきらめく中自由に動き出す~みたいなイメージなのかなと思いましたが、水というモチーフからは懊悩を脱し流れる水のように束縛を脱け出したみたいなイメージも連想されました。竜神(水神)であるハクからの連想でもあると思います。スモーク超綺麗だったよね。そのスモークが桜色に染まる中でプロジェクションマッピングとともに滑る「春よ、来い」は希望に満ちて美しかったです。恐らくですが、これまでのどのショーとも見せ方を変えていたと思います。なんか力強かった気がするんですよね・・・。これも「春=甦り」からの連想ですが、ここが破滅への使者と対になっているのだと推測しています。美しい。羽生結弦はペルセポネだった・・・?

ということはレクイエムは鶏と蛇と豚、あの夏はHope & Legacyと対応しているんですかね。前者が「私がこの世界のルールだ」vs「僕は誰?もっとちゃんと作ってよ」のアイデンティティタッグ、後者が「この世界で生きよう(「この世界で」救い戦う決意)」vs「自由だ(そもそも水中で生きていく)(台詞うろ覚えでマジごめん)」の生きる場所タッグ・・・かな?ホプレガの意図がいまいち掴み切れていないのでもう一回見たいです。世界を築いていくみたいな演出があったと思うのでこれで間違いではない気がするんですけど・・・・。なんにせよ元々のホプレガのイメージとはかなり乖離した使い方をしていて面白かったです。

 

あとアンコールでこれでもかってくらい滑るから本当に体力心配になった。二日目のレポを見る限り杞憂だったようです。舐めててごめん

 

 

 

 

エンドロールで3A3T3Loお出しするの本当にやめろ、でかい声が出るだろ

 

 

 

 

 

・よかったところ

ストーリー展開

観客の予想を裏切る展開かつゲームというテーマを最大限活かしたプロットは素晴らしかったと思います。第一部と二部がそれぞれ1つのルートとしてきちんとまとまっており、なおかつ対になる構成が本当に美しい。

アンテを非常に強く意識したストーリーだと思いますが、その辺の言語化は全くもって自信が無いので他のブログとかスレッドとかに譲ります。前半が全てを踏みつけにし無我夢中で強さを追い求めたのに闇に落ちてしまったルート、後半が犠牲を払うことをやめ、苦悩の末に真に執着から自由になったルートみたいな感じで書いておけばギリのギリギリ及第点は来るんじゃないかと期待しております。解脱ですね。

 

今月のトリビア羽生結弦はUNDERTALEがマジで好き

 

演出全般

音響、照明、映像、何から何まで神すぎ。スクリーンの両脇に羽生結弦本人が映るのめちゃくちゃいいアイデアですね、他角度からの映像を補完できるので・・・特に鶏と蛇と豚の正面映像は脈動する赤い三角背景に踊り狂う姿が異形感満載でヤバかったです。

せりあがる舞台もめちゃくちゃ驚いたし圧倒されました あれの上で踊ってトンチキにならないの何者なんだよ

 

既存プロの使い方

既存プロたちは非常に説得力のある使い方をされていたと感じました。既に(競技等で用いたシーズンを通じて)ストーリーや文脈が大量に付け加わっているはずのプログラムを全く新たな物語に適用するというのは、プログラム自体の解釈をしっかり確立していないとできないはずです。このあたりはGIFTでも本当に感動したポイントであり、羽生さんの表現者としての拘りとセンスが垣間見られるところかと思います。

 

 

・ウーンとなったところ

よかったところ:ぜんぶ!wみたいな項目を書いた後にこれ付け足すのも何なんですけど、一応感想なのでメモっておきます。ポイント的には1点だけです。

 

一部プロの振り付け及びその実施

Hope & Legacyは苦悩を表現するためか動きにかなり緩急を付けようとしていた感がありましたが、「見栄えとしては」競技での使用時と同じ塩梅のままで良いのではないかと思います。ぶっちゃけなんか動き硬くね・・・?と思っていました(後半の動きはかなり良きだったので疲れてたってことも無いかと・・・?)。ただ、ストーリー的にここは違う表現をしたいんだ!というのは明らかに伝わってきたのでこれからのツアーに期待していきたいです。

破滅への使者もめちゃくちゃかっこいいんですけど、もっと全身を大きく使った動きが欲しいところです。

これらのプログラム及びプロ転向後の新プロいくつかに共通する引っ掛かりとして、「動きが小さい」という点があると感じています。特に腕のみで完結する振り付けが多く、足元や上半身全体と連動させてダイナミックに動く振り付けが増えると満足感が上がるのではないでしょうか。

まあ僕は振付師でもなんでもないけどね。

 

 

 

こんな感じでした。𝑋のうわさで2日目は前半が「破滅への決意」→阿修羅ちゃんルートに分岐したみたいな話も聞いてもう言葉が見つかんないです。どっかの日程で別ルートも観たいんですけどなかなか厳しいでしょうね・・・。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

2022-23シーズン 個人的ベストプログラム

人もすなるベストプログラムというのを初めてやります。

とかく優柔不断なのでツイートするには候補が多くなりすぎて例年放棄していたのですが、ブログという利器を手に入れたのでやってみたいと思います。

※一選手1プロ縛りをしています

※ライト層の個人的意見です

 

 

・シニア部門

今シーズンはタレントの乱れ咲き状態で選ぶのにとても苦労しました。

 

・Kévin Aymoz SP "Still Don't Know My Name"

ベスト演技:USIC、WC

自分にとっては今季の男子シングルを象徴するプログラム。全てにおいてエイモズ。言葉はいらない。ただ体幹が強いとかバネがあるというだけではなく、優れた身体能力と果てしない研鑽を感じる身体操作技術が融合した極上のダンスにして競技プログラム。THE ICEで見た時点でこれはヤバいと感じていました(古参アピール)。

こういう類の音を腕や上半身の動きで表現するのは本当に難しいと思いますが、完璧の一言に尽きる仕上がりでした。どこをいつどう止めてどこをいつどう動かしてるのか僕には想像もつきません。

StSqのクールさも素晴らしい。これを洒脱って言うんだよな。辞書の用例のとこに載せてほしい。スピンも音ハメスピード滑らかさ全て最高レベル、ポジションもユニークなものを入れてあり難出からスムースにステップに入る流れも良いと言うことなし。

個人的には冒頭のイーグルの腕の動きとか、ベスティ入る前の上を向く動きとかが好きです。このプログラムを観るときは誇張抜きに毎秒「うめェ~~~~」って声を出してました。

3T3Tと3Sで固めたUSICがトランジションとしては一番堪能できたかな、と思ったのでベスト演技に入れてあります。

StSqの編曲とフィニッシュポーズはUSICバージョンが一番好きです(大声)

 

宇野昌磨 SP 「Gravity」

ベスト演技:WC

円熟という言葉がぴったり。氷に絡みつくスケーティングで独特のタメと脱力感を表現することで得も言われぬチルさが醸し出されています。この音楽を滑りこなせる男子は現在恐らく宇野選手だけではないでしょうか。シーズン序盤からの成長も著しかったです。

 

・Junhwan Cha FS "No Time To Die James Bond 007"

ベスト演技:WC

ノー摩擦でかっ飛ぶスケーティングとそこから流れで跳ぶジャンプ、シームレスに移行するのでまるで湧き出すように見えるトランジション、具体的な音ハメ以外でも流れを拾い続ける音楽表現と全てが揃っていました。3Aは・・・まあ・・・という感じですが、特に2本目に関してはそんなに気にならなかったです。

 

・Adam Siao Him Fa SP "Rain, In Your Black Eyes"

ベスト演技:EC

個性爆発プログラム。冒頭のマイムで観客を引き込み、そのまま一気に最後まで駆け抜けます。静かに始まりStSqで苦悩が爆発する表現力は鳥肌モノでした。エイモズと同じくユニークさを裏打ちする技術力がすごい。

 

・Keegan Messing FS "Home, Lullaby for an Angel"

ベスト演技:WTT

涙腺特攻すぎる。強すぎる膝と傑出したスケーティングスキルにより雄大で骨太なのに伸びやかなスケーティングと滑らかでストレスフリーなジャンプが揃った彼の良さをとてもよく堪能できるプログラム。今シーズンは全ての試合でドラマを感じる素晴らしい最終シーズンだった気がします。SPと迷ったけど試合が決まるFSのほうが涙腺に来てたのでこっち。

 

・河辺愛菜 SP「When the Party's Over, Bury a Friend, Bad Guy」

ベスト演技:GP Espoo

FaOIで見てすぐにぶっ刺さったプログラム。期待にたがわぬ爆イケプロでした。特にStSqが素晴らしく、サクサクと踏まれるターンが小気味いいです。あと個人的には冒頭インイーグルでギュンってするところが死ぬほど好きです。来季はFSが黒衣装のボレロということで既に大正解の予感がしています。

 

・住吉りをん FS「Enchantress」

ベスト演技:N杯

衣装とメイクが世界観と完璧にマッチ。ジャンプのタイミングやつなぎ等の構成が最高で、振付の力を感じました。本当に一瞬も休憩を許さない鬼のプログラムですが、シーズン後半には大分食らいつけているように見えました。ジャンプがさらにでっかく決まってくると見ごたえが増す気がします。継続ということなので今シーズンが楽しみで仕方ないです。

 

・坂本花織 FS「Elastic Heart」

ベスト演技:Skate America

力強く心に響くSiaのボーカル、優しくも訴えかけてくるピアノと坂本選手のディープエッジから生まれるうねるようなスケーティングはベストマッチ。自由を体現したようなスケーターだと思います。どうも一筋縄ではいかないシーズンでしたが、文字通り不屈の心で最後には栄冠を掴んだストーリーも重なって目を離せないプログラムでした。振付師変更によりこれまでにない有機的な動きが増え、また表現の幅が広がっていきそうです。

 

・渡辺倫果 SP「ロクサーヌのタンゴ」

ベスト演技:GPF

妖艶な演技がとにかくかっこいい。目元の赤いやつ超好きです。全体的に圧力を感じる演技ですが、特にStSqではターンの回転する力をうまく表現に活かしてぐいんぐいんと迫力を出せていると思います。綺麗に決まった試合がちょっと少なかったエレメントになりますが、3Lz+3Tの音ハメもゾクゾクします。ラスト付近で畳みかける音ハメもとても良いです。

 

・Kamila Valieva SP "Interstellar"

ベスト演技:テススケ

美の権化。ただのクロスすら美しい。ガチで全部が良いので言うことなし。柔らか、しなやか、シームレスな全身(これが全身使ってできるのが本当にすごい!)の動きが流れるような音楽と調和して息をすることも忘れます。特に後半3Lz+3Tは3Lz構え→踏み切り→着氷→3T構え→踏み切り→着氷→チェックのフリーレッグ上げと全てで拍が捉えられていて圧巻でした。また、3Fの構えのタメのタイミングも曲と完璧にマッチしていて個人的にものすごく好きです。結局全部良い。

 

・Elizaveta Tuktamysheva FS "Loneliness"

ベスト演技:RN

哀しくも美しい。笑顔で戯れているように見える中盤~終盤すら決して明るくならない。別れを告げるようなスパイラルが心に来ます。ラストのポージングもあまりに寂しく美しいです。衣装で正面で抜かれた薔薇が背面に配されているのもオシャレ。髪型もいい。というかほつれ髪がいい。3F抜けはあったもののジャンプやスピンが一番シャープに入った感のあった全露をベスト演技にしました。

 

・Sofya Akatyeva FS "Welcome to Earth"

ベスト演技:Channel 1 Cup

生命の息吹を感じるプログラム。神秘的な序盤~プリミティブな躍動感を感じる中盤~スライド系ムーブで一気に晴れやかになる終盤という構成が素敵。個人的には密林を命に溢れた林床~鳥が飛翔する林冠まで登っていくような感覚でした。良い意味で人間味を感じさせない、スピリチュアルな演技でした。

 

・Piper Gilles / Paul Poirier FD "Evita"

ベスト演技:WC

キャラクターへの入り込み方が凄い。上を目指し続けたエビータの心から消せなかったものを見せられているように感じました(劇中で曲が使われるタイミング的にはちょい違う気もしますが)。ギレス選手の闘病とも重なり世界選手権では演技開始前から感極まったような表情をしていたのが印象的でした。

 

・Madison Chock/ Evan Bates FD "Souffrance, Le Tectoniques"

ベスト演技:WTT

これが世界最高峰のカップルか・・・となったプログラム。次から次へと繰り出されるなんでコケないねんムーブの数々と氷を捉えて離さないスケーティングに圧倒されました。全体的に体の使い方が上手すぎるのですが、特にリフトがあり得ないくらいスムースでドン引きしていました。

 

・Sara Conti/ Niccolo Macii FS "Nuovo Cinema Paradiso"

ベスト演技:WC

もともとミュージカルプロに弱いのですが、このプログラムは特に沁みました。歌い上げるという表現がしっくり来るような滑りが朗々としたボーカルをとても良く表現していたと思います。ロマンチックなプログラム。

 

 

・ジュニア部門

シーズン序盤に活躍するのでどうしても自分の中では印象が薄くなっていきがちなのですが、その中でもいくつか印象に残ったプログラムがあるので紹介します。

 

・Lucas Broussard FS ”The Leftovers”

ベスト演技:JGP Gdansk (1)

どの音にどの振付が対応するかしっかり見せてくれていると感じました。滑らかなスケーティングに加え、タノジャンプや高いフリーレッグが美しすぎる。特に全米の4Tは必見のクオリティ。SPも良かった。

 

・櫛田育良 FS「サムソンとデリラ

ベスト演技:JGP Ostrava

ゴージャスの一言に尽きました。プログラム全体に音ハメやさりげないトランジションが散りばめられているのがとても好み。イリュージョン、回転速度増加、チェンジエッジのタイミングまで(たぶん)拘られたスピンがプログラムのハイライトを演出し、空白の時間をほぼ感じなかったです。

あとChSqのスキッドスパイラルがあまりに天才。見て。

 

・島田麻央 FS「Passpied」

ベスト演技:JGPF

世界に名乗りを上げたプログラム。全員言ってるけど3F+2Aのタイミングが神すぎる。その他もひたすらクオリティが高く頭一つ抜けた才能を再確認しました。これは日本勢全般の特徴かもしれませんが、3A、4Tに入る軌道が比較的短いうえ極力姿勢を固定しないような振付になっていて空白感が少ないのも良いなと思いました。

 

・千葉百音 SP「シンドラーのリスト

ベスト演技:4CC

流麗な上半身使い、演技力が素晴らしい。ちょっとした視線の上げ方や表情にゾクッとさせられました。スケーティングの良さは言わずもがな。この重たい音楽を見事にものにしたと思います。

 

 

・Honourable Mention

・Ilia Malinin FS "Euphoria"

ベスト演技:Skate America

歴史に残りそうなので書かずにはいられなかった。初の4Aを降り、後半4Lz込の5クワド、6クワド(、練習では7クワド)に挑んだ人類の限界を窮めんとするプログラム。

無限クワド編に体力と繋ぎのリソースを吸われ必ずしも本来のプレゼンテーション能力を発揮できているとは思わないですが、体力面で余裕のあったスケアメ、明らかに表現面をブラッシュアップしてきたWTT等のChSqには確かに光るものを感じました。来季が楽しみです。

 

 

 

ざっとこんな感じです。選手の皆さん、今季もステイヘルシーで実力を発揮できるように応援しています!

 

 

 

 

 

おまけ:泣く泣く削ったもの

リッツォFS ジュンファンSP ペトロシヤンSP ルナヘンSP ペトロキナSP フィアギブFD りくりゅうFS Francois Pitot SP

ジュンファンのジャッジ前ドヤ顔アイソレがかっちょよすぎて真似してみたらニヤけ顔で肩と頭を揺らす不審者になりました。肩揺れてたらアイソレーションできてないじゃんね。

自己紹介

膝(@Yazunori_Hanee)という名前でTwitterをやっています。フィギュアスケートが好きで、シングルを中心に観ています。

 

試合などのたびにインターネットの大海に放流される感想ツイートたちがもったいないのでブログにまとめることにしました。

深い知識があるわけではないので唐突に自分語りや感想を書き散らすだけの場所になる予定です。気が向いたら見てみてください。

 

・履歴書

スケオタ開始:2021ワールド 羽生選手、シェルバコワ選手のSPをTVでたまたま観て、こんなにも気持ちよく音楽に合わせて動ける人間がいるのかと衝撃を受けました。

初現地:2023ワールド(神大会でした)

一番好きな演技:羽生結弦 2018オリンピックFS "SEIMEI"

永久にありえんくらい好きなスケーター:羽生結弦 ケヴィン・エイモズ アンナ・シェルバコワ

とても好きなスケーター:宇野昌磨 イリア・マリニン 櫛田育良 カミラ・ワリエワ エリザヴェータ・トゥクタミシェワ アレクサンドラ・トゥルソワ パイパー・ギレス/ポール・ポワリエ マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ

かなり好きなスケーター:アダム・シャオ・イム・ファ ジュンファン・チャ キーガン・メッシング マッテオ・リッツォ ジェイソン・ブラウン 坂本花織 紀平梨花 河辺愛菜 松生理乃 エフゲニア・メドベージェワ ルーナ・ヘンドリクス ニーナ・ペトロキナ etc.

なかなか好きなスケーター:ドミトリー・アリエフ ミハイル・シャイドロフ ルカ・ブルサール アダム・ハガラ 三原舞依 住吉りをん 吉田陽菜 島田麻央 イザボー・レヴィト アデリア・ペトロシアン ダリア・ウサチョワ エカテリーナ・クラコワ ベック・ストロマー サラ・コンティ/ニッコロ・マチー etc.

 

※好きなスケーターを挙げましたが、応援しないスケーターというのは今のところ一人もいないです。

※ここに挙げていないスケーターの作品の中にも好きな演技はあります。

 

リストは随時更新中です。漢字間違い等を見つけたら怒らずにそっと教えてください。

 

よろしくお願いします!